歯科矯正において、ブラケットの装着方法は治療の成功に大きく影響します。
とくにダイレクトボンディングシステム(DBS)は、正確なポジショニングが求められる技術の一つです。
この記事ではDBSの基本的な概要から、記録方法、重要性、さらに効果的な練習方法まで詳しく解説します。
DBS(ダイレクトボンディングシステム)とは?

DBSとは Direct Bonding System(ダイレクトボンディングシステム)の略で、直接歯にブラケットを装着する方法です。
装着の方法は、以下のとおり。
ピンセットの角度を調整しながら、ブラケットが安定するように保持します。
症例に適した材料を使用しましょう。
ブラケットを適切な位置に配置し軽く圧接して密着させます。
DBSの最大の特徴は、患者さんごとの歯列状態に応じた柔軟な対応が可能であることです。
ブラケットの角度や高さが微調整できるので、理想的な歯の移動が実現しやすくなります。
DBSは矯正治療の精度を高める重要なプロセスと言えるでしょう。
その他にもDBSのメリットはあります。
DBSの記録方法と関連用語を解説

DBSの施術はカルテに記録されますが、記載方法は歯科医師によって異なります。
ここでは一般的な表記例を紹介しましょう。
初めてブラケットを装着する場合
表記: 「DB」「DBS」
例: 「上顎7-7 DBS」(上顎の7番から7番までDBS)
さらにブラケットの位置や装着角度を詳細に記録しておくと、後の調整や再評価がスムーズになりますよ。
ブラケットを付け直す場合
表記: 「ReSet」「ReBond」「Detail」
例: 「右上3 ReSet」(右上3番のブラケットを付け直した)
装着後の経過観察でズレが生じた場合は、再装着(ReSet)や再接着(ReBond)が行われます。
正確な記録を残し、治療の進捗をより明確に把握しましょう。
DBSの重要性

ワイヤー矯正においてブラケットのポジションは、治療のスムーズさを左右する重要な要素です。
適切な位置に装着できると、無駄な力をかけずに歯を効率よく移動させられます。
DBSの精度が低いとワイヤーの調整が頻繁に必要になり、治療期間が延びる可能性もあります。
そのため、歯科医師は正確なDBS技術の習得が必要です。
DBSの練習方法

DBS技術を向上させるためには、練習あるのみです。
ここからDBSの効果的な練習方法を紹介しましょう。
1. ブラケットポジションの基礎を理解する
まずは模型を使用して適切なブラケットの位置を知ることが大切です。
模型にガイドラインを引いてブラケットポジションを確認しながら装着の練習をしましょう。
また、ブラケットの位置決めには患者さんの咬合状態を考慮することも必要です。
適切なアングルで装着できると、最小限の調整でスムーズな歯の移動が実現できますよ。
2. シミュレーションを繰り返す
いきなり患者さんに装着するのではなく、模型やダミー歯を使って繰り返しトレーニングしましょう。
十分なトレー二ングができていると、実際の臨床での精度が向上します。
とくに異なる歯列のケースを想定してシミュレーションを行うと、さまざまな症例に対応できるスキルが磨けますよ。
より詳しく学びたい方へ:矯正治療を学ぶための動画・勉強会情報
DBSの正確な装着技術を習得するために、動画コンテンツや勉強会を活用するのもおすすめです。
経験豊富な矯正専門医が指導するセミナーや勉強会は、実践的なスキルを習得する近道になりますよ。
ミノアカライブラリーでは歯科医師が矯正セミナーを開催しています。
Instagramでも日々歯科矯正に関する情報を発信していますので、参考にしてください。
DBSを適切に行うと矯正治療の精度が高まり、患者さんにとってもスムーズな治療を提供できます。
今後も技術を磨きながら、より良い矯正治療を実践していきましょう!
コメント