矯正治療といえば、歯にブラケット(小さな装置)をつけて、そこにワイヤーを通す「ワイヤー矯正」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、その“ワイヤー”にも実はいろいろな種類があるってご存じですか?
今回は、ワイヤー矯正で使われる「ワイヤー」について、できるだけわかりやすく紹介していきます!
そもそも、ワイヤーってどんな役割?

ワイヤーは、矯正治療の中で“歯を動かす力”の源です。
歯は、唇や舌、頬の力のバランスの中で並んでいるため、少しずつワイヤーの力をかけて、理想的な歯並びへと導いていきます。
治療の段階や目的に合わせて、ワイヤーの種類や太さを変えて、歯並びを整えているのです。
ワイヤーの種類と特徴【ざっくりわかりやすく解説】
ワイヤーには素材や硬さ、しなやかさの違いによって、それぞれ得意な役割があります。
代表的な3種類のワイヤーについて、解説していきます。
やわらかくてやさしい「形を覚えるワイヤー」
ニッケルチタンワイヤーは、治療の初期に使う“やわらかくてかしこい”ワイヤーです。
このワイヤーは、歯並びがガタガタしているときに使います。
形状記憶といって、「元の形に戻ろうとする力」でじわじわと歯を動かしてくれます。
- でこぼこの歯並びを整えはじめるとき
- やさしく動かしたい治療の最初のとき
しっかり動かす「硬くて強いワイヤー」
ステンレススチールワイヤーは治療の中期〜後期に使われ、ちょっと太くてしっかり者のワイヤーです。
歯をしっかり固定しながら動かしたり、固定したままにするときに使います。
長く安定して使えるのも特徴です。
- 抜歯後のすき間を閉じたいとき
- 動かした歯の位置をしっかりキープしたいとき
ちょうどいいバランス「しなやかワイヤー」
ベータチタンワイヤーは治療の初期〜後期まで通して使われます。
やわらかすぎず、硬すぎず、ちょうどいい使いやすさが魅力のワイヤーです。
微調整がしやすいので、治療のいろんなタイミングで使われます。
- 歯を微妙に動かしたいとき
- 柔軟に調整しながら治療を進めたいとき
見た目が気になる方には「ホワイトワイヤー」も!

ワイヤーは基本的に銀色(金属色)ですが、「目立ちにくい矯正がしたい」という方には、白いワイヤー(ホワイトワイヤー)もあります。
- 塗装タイプ:はっきりと白色なのが特徴、使っているうちに剥がれてくることも。
- コーティングタイプ:白銀っぽくて自然な見た目。剥がれにくいのがメリット。
ワイヤーの形や太さも色々!
ワイヤーは素材だけでなく、断面の形や太さによっても力のかかり方が変わります。
ワイヤーの特徴を活かして、用途に合わせて使い分けられています。
- 丸いワイヤー:やさしい力で動かす初期に使われます
- 四角いワイヤー:歯の向きを整えたり、しっかり固定したい後期に使われます
- 細いワイヤー:弱い力でやさしく
- 太いワイヤー:強い力でがっちり
まとめ:ワイヤーは見えないけど、すごく大事!
ワイヤー矯正の“ワイヤー”には、たくさんの工夫がつまっています。
治療の段階や歯の動きに合わせて、矯正歯科医が最適なものを選んでいるのです。
「毎回ワイヤーが変わっている!」「今回は変えてないけど大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、ちゃんと意味があるのです。
気になることがあれば、ぜひ遠慮なく担当の先生に聞いてみてくださいね。
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