スロットとは?ワイヤー矯正におけるスロットの基本

矯正治療を学ぶ中で「スロット」は治療法を選択する上で重要な要素の一つです。

スロットの構造やサイズの違いが理解できると、スムーズな矯正治療が進められます。

この記事では、スロットの基本的な構造や役割、そして臨床現場での実践的なポイントについて詳しく解説します。

目次

スロットとは?

スロットとは、ワイヤー矯正で使用するブラケットのワイヤーが収まる溝の部分のことです。

スロットにワイヤーを通し、ワイヤーの弾性や力を利用して歯を正しい位置へ移動させます。

スロットのサイズや形状は、治療に使用するワイヤーの太さや形態に影響を与えるので、治療計画にも直結します。

そのためスロットの構造を正しく理解することは、矯正治療の成功に不可欠です。

2種類のスロットサイズと特徴

矯正治療で使用されるスロットには、主に

  • .018スロットサイズ
  • .022スロットサイズ

の2種類があります。

上記写真の右側が.018スロットサイズ、左側が.022スロットサイズです。

ワイヤーが太くなるにつれてスロット内にタイトに収まり、ブラケットやワイヤーからの力がしっかりと歯に伝わります。

スロットサイズの選択は治療計画において重要なポイントです。

スロットにワイヤーを正しく収めるためのポイント

矯正治療の精度を高めるためには、ワイヤーがスロットに正しく収まっていることが重要です。

ワイヤーを正しくスロットに収めるために、次のポイントを意識してください。

・ワイヤーは細い段階からスロットへ正確に収める

・浮いている場合は結紮(けっさつ)を行い、ワイヤーをスロットにしっかりと引き込む

スロットからワイヤーが浮いていると、計画通りに歯が動きません。

そのため、ワイヤーが浮いている場合は結紮をしてください。

結紮を行うときは、ワイヤーがスロットに密着するように細心の注意を払い、結紮線を均一な力で引き締めます。

捻転歯の場合、ワイヤーが近心・遠心のどちらかのスロットから浮いてしまうことがあります。

このようなケースでは、ミラーやツイスターなどを使用して視覚的および触覚的にワイヤーの収まりを確認することが大切です。

これらの実践的なポイントが意識できると、矯正治療の精度を高められます。

スタッフ間での情報共有のコツ!カルテの記録方法も

治療中はスロットとワイヤーの状態を常に確認し、スタッフ同士での情報共有も必要です。

カルテには以下のポイントを記載します。

・ワイヤーの種類やサイズを詳細に記録する

・もしワイヤーが浮いていた場合、その対応策(結紮など)を書き残す

適切な記録を残しておくと、スタッフ間の情報共有もスムーズです。

また治療が円滑に進むので、患者さんへの治療計画も一貫性を保てます。

まとめ

スロットの基本や選び方、実際の治療現場でのポイントを押さえると、矯正治療の精度や効率を高められます。

スロットとワイヤーの関係に注意を払い、スタッフ間での正確な情報共有やカルテの記録も徹底しましょう。

次回の記事では、スロットサイズごとの特性や、適した症例についてさらに詳しく解説します。

ワイヤー矯正をより深く理解したい方は、ぜひ引き続きご覧ください。

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