「リセット」とは?矯正治療で頻出する処置用語を整理!

矯正治療において日常的に使われる処置用語のひとつが「リセット(ReSet)」です。

スタッフ間の共有、カルテ記載で登場するこの言葉。

今回は「リセット」とは何を指すのか、どんな場面で使われるのかを整理していきます。

目次

リセットとは?主なリセットの対象と記載例

矯正治療における「リセット(ReSet)」とは、装置の脱離に対して再装着することを指します。

ブラケットのリセット

例:「右上7 リセット

→ 右上第2大臼歯のブラケットが外れたため、付け直しを行ったことを示します。

ボタン(顎間ゴム用ボタン)のリセット

例:「右下6 ボタンリセット

→ 顎間ゴム用に設置していたボタンが外れ、再装着を行ったケース。

アライナー矯正におけるアタッチメントのリセット

例:「左上2 ATリセット

→ アライナー治療中に使用するアタッチメントが外れ、再付与したことを表します。

カルテ記載のポイント

リセットの記録をカルテに残すことは、治療の質を保つためにも非常に重要です。

記載のポイント
  • 脱離の有無もセットで記載する
    • 例:「右下6 ボタン脱離 → リセット」など
  • 再脱離が続いている部位の追跡が可能
  • 計画の見直し(装置変更やバンド化など)にもつながる

特に再発が多い部位については、「なぜ外れやすいのか」を見直すきっかけにもなります

補綴歯におけるリセットの注意点

補綴歯(被せ物が入っている歯)では、接着の問題でリセットの頻度が高くなることがあります。

このような場合に有効な対策はバンドの使用です。

  • 最初からバンドで固定する
  • 複数回の脱離を確認してからバンドに変更するなど、症例ごとに判断します。

補綴の種類によっては、表面処理などの工夫も必要になるため、毎回の再脱離に注意を払いましょう。

まとめ:リセットを正しく扱うために

内容ポイント
定義脱離したブラケットや装置を再装着すること
対象ブラケット/ボタン/アタッチメントなど
記載例「右上7 リセット」「左下6 ボタンリセット」など
注意点カルテに脱離と処置内容を明記/再脱離の有無を追跡
補綴歯再脱離が続く場合はバンドへの切り替えを検討

ひとことアドバイス

リセットはただの“付け直し”ではありません

「外れた」という事実をどう活かすかが、治療の予後や患者満足度にも関わってきます。

その場しのぎで終わらせず、原因分析と処置記録をルーティン化しておくと、治療の質がさらに高まります。

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今後も技術を磨きながら、より良い矯正治療を実践していきましょう!

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