「子どもの歯並び、そろそろ気になるけれど、矯正はいつから始めるのがいいの?」そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
実は、矯正には“成長を味方につける時期”があり、それが「一期治療」と呼ばれる段階です。
この記事では、一期治療の内容やメリット、治療の流れを分かりやすく解説します。
目次
一期治療とは?
一期治療とは、お子さんの成長を利用して歯並びや咬み合わせの土台を整える治療です。
将来の二期治療(ワイヤー矯正)にスムーズに移行できるようにする「準備段階」でもあります。
治療の時期と役割
お子さんの成長段階に合わせて、一期治療にはそれぞれ大切な役割があります。
年齢ごとの特徴を紹介します。

5〜6歳:反対咬合(受け口)の改善期
- 成長に悪影響を与える受け口は早めに改善
- 放置すると骨格性の問題が強くなるため、早期の介入が有効
7〜9歳:拡大期(拡大床による治療)
- 上あごの横幅を広げて歯が並ぶスペースを確保
- 積極的に動かす時期で、治療の中心となる
9〜11歳:経過観察・成長促進期
- 側方歯(奥歯)が永久歯に生え変わるのをチェック
- 下あごが小さい子は、下あごの成長を促す治療を行う
12歳以降:二期治療へ移行するかを判断
- 歯並びが整っていれば経過観察のみ
- 細かい並びの改善が必要な場合は「本格矯正(二期治療)」へ
- 二期治療は追加費用で可能(成人矯正より費用・期間の負担が少ない)
治療期間の目安
治療期間の目安は、積極的に装置を使う期間が約2年間です。
たとえば7歳から始めた場合、9歳ごろまでがメインの治療となります。
その後は3〜6か月に一度の定期検診で、歯の生え変わりや顎の成長を確認しながら装置の調整を行います。
必要に応じて追加の治療を組み込み、成長に合わせてサポートしていきます。
一期治療のメリット
- 顎の成長を利用できるのはこの時期だけ
- 将来の抜歯の可能性を減らせる
- 二期治療が必要になっても成人矯正から始めるより安価でスムーズ
- お顔立ちやかみ合わせのバランスを整えやすい
このように、一期治療は単なる矯正の準備ではなく、将来の負担を減らし、お子さんの成長を最大限に生かす大切な役割を持っています。
治療のゴール
一期治療で十分に歯並びや咬み合わせが整い、そのまま経過観察で終えられるお子さんもいれば、将来的に二期治療が必要になるお子さんもいます。
大切なのは「その子の成長に合わせて、最適なタイミングで治療を進めていくこと」だといえます。
まとめ
- 一期治療=お子さんの成長を味方につける大事な時期
- 積極的な治療は「約2年」、その後は定期検診でフォロー
- 必要なら二期治療へ移行(追加費用あり)
- 成人矯正から始めるよりも、費用も体の負担も少なく済むメリットが大きい
矯正は一人ひとりに合わせて進めていくものです。
まずは専門医に相談しながら最適な方法を一緒に見つけていきましょう。


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